平成27年警察委員会(2015.6.30)

【日比たけまさ委員】

 平成24年10月、春日井市において危険ドラッグを吸引した者が運転する車に、当時、高校1年生の女子生徒がはねられ亡くなるという悲しい事件が起こった。その後、県警を始め、県関係部局の様々な取組により、40店舗あった危険ドラッグ販売店はゼロになったと聞いている。
 しかし、あの事件以降も東京池袋で車を暴走させ、7人を死傷させる事件が起こるなど、重大事件が度々発生している。さらに、新聞では、販売業者はインターネットを使い、様々な手段で販売を続けていると報じられている。
 そこで、県警が把握している危険ドラッグに起因する平成24年以降の交通事故の発生状況はどのようになっているか伺う。

【組織犯罪対策局長】
 危険ドラッグが原因と疑われる交通事故は、平成24年中は12件、平成25年中は17件、平成26年中は36件発生しているが、昨年、平成26年10月12日の発生を最後に現在までは発生が見られないところである。

【日比たけまさ委員】

 危険ドラッグの販売の動向について、本県の現状はどうか。

【組織犯罪対策局長】
 危険ドラッグを販売する店舗については、平成26年7月の時点では、県内に18店舗を確認していたが、同年7月15日には、愛知県警察危険ドラッグ総合対策本部を設け、強力な取締りを進め、薬事法、薬物の濫用の防止に関する条例などにより、販売店9店舗、経営者など28人を検挙した。
 また、県や東海北陸厚生局の麻薬取締部との合同で立入りを行い、当時営業していた販売店に対し、危険ドラッグの販売を中止するよう指導するなど、関係機関との連携した取組によって、平成26年10月末までに18店舗全てを廃業、閉店させており、それ以降、愛知県において危険ドラッグに関する事象は激減している。

【日比たけまさ委員】

 店舗による販売は減少したとのことであるが、インターネットを利用した販売など、販売ルートの地下化についてはどのように考えているか。

【組織犯罪対策局長】
 県内に販売店がないことをもって危険ドラッグの乱用が根絶したとは考えておらず、インターネットを利用した販売や宅配を利用した販売などに移行しての使用、乱用が懸念されるので、店舗以外での流通について引き続き情報収集に努め、その取締りを図っていく必要があると考えている。

【日比たけまさ委員】

 危険ドラッグ取締りについて、今後どのように取り組んでいくのか。

【組織犯罪対策局長】
 危険ドラッグについては、県内の販売店が全て閉鎖するなど、これまでの諸対策の効果が現れているものと考えるが、今後は、インターネットを利用した販売業者及びデリバリー型販売業者に対する取締りを強化するなど、輸入、製造、販売などの供給源に対する対策の徹底を図るとともに、関係機関と連携してその危険性についての広報を徹底するなど、引き続き、供給の遮断と需要の根絶を図っていく。

【日比たけまさ委員】

 春日井市では昨年8月に県内初の危険ドラッグ追放宣言を行った。一般の市民に対して、何が危険なのか、なぜ取り締まることができないのか、使用するとどのような症状が出るのか、どこに相談すればいいのかなどを伝える活動であるが、こうした活動を一過性にせず、継続して行わなければならないと考える。
 一方、日本薬物対策協会が実施したアンケートによれば、危険ドラッグについて、全体の28.4パーセントが簡単に入手できると答え、入手しようと思えば何とか入手可能と思うと回答した者も含めると、全体の53パーセントが入手できると回答している。
 インターネットや宅配といった販売の影響がこの数字にも表れていると懸念するが、県警には今後とも、県との連携を密にして危険ドラッグの根絶に向け活動してもらいたい。