平成27年警察委員会(2015.12.11)

【日比たけまさ委員】

 本県では、信号がなく災害に強い交差点といわれる環状交差点が昨年9月に県内4か所に整備されている。運用が開始され1年余りが経過したが、県警としてこの環状交差点について交通事故の発生状況等、現況をどのように評価しているのか伺う。

【交通部長】
 これらの交差点については、いずれも従来から円形の交差点であったので、状況は以前とさほど変わっていないが、昨年の9月1日に環状交差点として指定をして以降、現在まで人身交通事故は1件も発生しておらず、円滑に運用ができていると評価している。

【日比たけまさ委員】

 県内4か所しかないため、実際に通行する機会も少なく、運用ルールを知らない人も多い。通行時の混乱もあるのではないかと懸念されるが、環状交差点における安全な運行に向けたルールの県民への普及啓発・指導

【交通部長】
 環状交差点の運用開始直後は、車両の逆走や、環状交差点内の優先車両への妨害などの交通の混乱が予想されたため、運用の開始前から周辺の住民に、回覧板などを使って、道路交通法の改正の内容や通行方法を周知した。また、免許の更新時の講習で使う交通教則に環状交差点の通行方法を新たに記載しており、講習で、どういう通行方法であるのかを周知している。運用開始後は、警察官が実際に現場へ行き、通行者へ通行方法の広報啓発を行った。
 また、環状交差点を示す、矢印が円を描く青色の標識があるが、本県ではこの標識だけではなく、その下に「環状道優先右回り」という補助看板を付けるなど、通行者が迷うことなく環状交差点を通行できるよう配意している。

【日比たけまさ委員】

 長野県飯田市では、環状交差点に「ゆずれ」と書かれた看板があると聞いたが、まさに適切な表現であり、運転者の心を穏やかにする効果がある表現だと感じている。本県にも同様の事例はあるのか伺う。

【交通部長】
 「ゆずれ」という看板は、道路管理者である飯田市が設置したものと聞いており、道路交通法で定められている環状交差点内を通行する優先車について、一般のドライバーに分かりやすく促しているものであると考えている。
 本県において、「ゆずれ」という看板が設置されているかどうかについては、県警として把握していないが、環状交差点については、補助看板と立て看板により、周知徹底を図っているところである。

【日比たけまさ委員】

 環状交差点について、今後、どのように整備をしていくのか伺う。

【交通部長】
 環状交差点はメリットが多く、まず、通常の交差点に比べて車両同士の交錯する点が非常に少ないことから事故が起こりにくい。また、円形であるので必然的に走行速度が落ち、重大事故につながる危険性も少ない。さらに、信号機がないので信号の待ち時間が発生しないほか、停電や災害にも強いという利点もある。
 一方、交通量が多過ぎる場合には有効に働かないというデメリットもあるので、交通量や交通事故の実態などを勘案し、有効と考えられる場所での整備を進めていきたいと考えている。道路の新設や改良の機会を捉えて整備を進める必要があると考えるので、道路管理者とも連携しながら整備を進めていく。

【日比たけまさ委員】

 具体的に整備予定のある場所はあるのか。

【交通部長】
 本年度については、安城市和泉町地内の新興住宅街において、環状交差点を1か所整備する予定である。

【日比たけまさ委員】

 運転者の運転マナーについて、イタリアでは赤信号が青色や黄色に比べてはるかに大きい信号機があるが、これは停止に関して注意喚起を促しているとのことである。本県においても、このように運転者の運転マナーの向上を促す信号機の仕掛けがあるのか伺う。また、信号機に限らずマナーの向上を狙いとした施設整備をしている事例があるのか伺う。

【交通部長】
 本県においては、赤色の灯火のみが大きい信号機というものは、現在、整備されていないが、運転者の注意を喚起する信号機の工夫としては、信号機の青色灯火にルーバーという、信号機に近付かなければ青色が認識できない装置を取り付け、これにより交差点に安全な速度で進入してもらい、事故の抑止を図るという工夫を行っている。
 このほか、マナー向上に結び付くものの例としては、一時停止の標識柱に「自転車も止まれ」と記載したオレンジ色の反射板を多く貼付し、一時停止を促すというものがある。また、運転者への注意の喚起としては、道路管理者に働きかけを行い、交差点のカラー舗装を進めているところである。

【日比たけまさ委員】

 日本は人口当たりの交通事故死者数は海外と比べても少ない方ではないかと思うが、個々の取組を見ると海外から学ぶべきこともあると思う。海外の交通安全対策に関して愛知県警察として調査しているのか伺う。

【交通部長】
 本県では、歩行中、又は自転車乗用中の交通事故死者が多いことから、海外において歩行者の安全確保や自転車の安全利用に係る特徴的な対策を講じている国としてドイツ連邦共和国を選定し、本年に調査を実施した。
 歩行者の安全を確保するための特徴的な対策とは、道路の中央部分に歩行者の滞留部分が備えられていることで、これにより、歩行者が道路を横断する場合は、一方向のみを確認して道路中央の滞留場所まで横断し、その後もう一方を確認して横断できるようになっている。高齢者対策としても非常に効果的であると思われるので、道路管理者と連携してその整備に向けた検討を進めていきたいと考えている。
 自転車の安全利用に係るものとしては、ドイツの小学校では年に10時間程度、交通安全教育の時間が確保されているなど、幼少期における交通安全教育が充実しており、参考となるものであった。また、警察に自転車の部隊が設けられ、自転車利用者に対する広報啓発、指導取締りを自転車に乗った警察官が行っているほか、自転車が走行する上で障害となるような樹木の繁茂や標識の損壊等を関係機関に通報するなど、自転車利用者目線での対策が講じられており有効に機能していた。こうした体制の導入についても検討を進めていきたいと考えている。
 そのほか、生活道路における車両速度の抑制対策や交差点のコンパクト化等が講じられていたことから、今後、調査結果を踏まえ自治体や道路管理者や教育機関などの関係機関・団体と連携し、より効果的な交通安全対策の実施に努めていきたいと考えている。

【日比たけまさ委員】

 歩行中や自転車乗車中の事故の割合がヨーロッパの先進国に比べて少し高いようである。今回の調査を含め、海外を含む先進事例を取り込みながら更なる事故抑止対策を講じてもらいたい。


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