令和3年 5月臨時議会(2021.5.11)

議案質疑

 第104号議案令和3年度愛知県一般会計補正予算第4号及び第105号議案愛知県県立病院事業会計補正予算第1号について質問します。
 質問に先立ち、新型コロナウイルス感染症により、昨日までにお亡くなりになられた656名の方々に心からお悔やみ申し上げます。また、現在治療、療養されておられる皆様には、一日も早い御回復を心からお祈りいたします。
 そして、一年以上にわたり、大変厳しく、苦しい日々が続く中、奮闘されている医療従事者の皆様をはじめ、様々な要請に対して御協力をいただいている県民の皆様、事業者、団体の皆様に改めて感謝を申し上げ、質問に入ります。
 初めに、緊急事態宣言が発出された本県の状況の周知について伺います。
 本県では、4月20日からまん延防止等重点措置が適用されたものの、連休期間中を含むここ数日間の新規陽性者数の推移、また、それに伴う入院患者数の増加は非常に厳しい状況と言わざるを得ません。県民の皆様に必要な医療の提供が満足にできない状況になることを未然に防ぎ、安心して医療の提供を受けられる状況に改善を図る必要があります。
 先日、兵庫県や大阪府の高齢者施設において、深刻な病床逼迫により入院先が決まらず療養を続けた結果、命を落とされた方が数多くおられるという報道を耳にし、病床逼迫は県民の命に直結すると感じました。現在も病床確保に奔走されていることは承知しておりますが、ぜひ一床でも多くの確保に努めていただくようお願いします。
 そして、これ以上の入院患者数の増加を防ぐためには、緊急事態措置にのっとり、一人でも多くの方に行動を見直していただくことが重要であると考えます。
 その一方で、長期にわたる自粛疲れ、さらに今回は急速に感染状況が悪化したこともあり、一部の方からはなぜ緊急事態措置になるのかといった声や効果を疑問視する声も聞かれます。こうした中の一例として、今回の措置では、飲食店等での酒類の提供が行われなくなることから、路上や公園等における集団での飲酒などの行為が発生することも懸念されます。
 そこで、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を抑え込み、医療崩壊を防ぐには、緊急事態措置の重要性や逼迫性について、県民の皆様のより一層の御理解、御協力をいただくお願いが必要であると考えますが、どのような方法で啓発、PRしていくのか伺います。

 次に、飲食店等感染防止対策の強化について伺います。  まん延防止等重点措置の対象区域となった名古屋市内の飲食店等について、既に手指消毒の徹底や食事中以外のマスク会食の推奨、アクリル板等の設置などの10項目を、実際に訪問し確認を行っているとお聞きしております。
 また、この見回り活動と併せて、県が飲食店等の感染防止対策の認定基準を最大50項目定める新たな認証制度の整備も進められているともお聞きしております。
 そこで、名古屋市内の飲食店等において確認を行った結果、感染防止対策の取組が遅れていた項目には、どのようなものがあるのか。
 あわせて、名古屋市内の飲食店等の見回り活動で得た感染防止対策に関する知見を、県が独自に整備するとしている新たな認証制度にどのように生かしていくのか伺います。


 最後に、大規模集団接種会場の開設について3点伺います。
 ワクチン接種は、新型コロナウイルス感染症の治療方法が確立されていない現在、感染防止の一丁目一番地の対策であり、迅速に接種を進めることで、一人でも多くの命を守る必要があります。一日も早くワクチンを接種したいという県民の声に反し、国からの具体的なワクチン供給計画が見通せず、市町村ではワクチン接種事務の対応に追われ、厳しい状況が続いております。
 こうした中、5月24日から、県営名古屋空港ターミナルビルと藤田医科大学において、周辺市町村を対象とした大規模ワクチン接種会場を開設し、ワクチン接種を加速させるという今回の取組は、新政あいち県議団としても非常に高く評価するものであります。ぜひ今回の取組を着実に実施するとともに、県内各地への開設を望みます。
 そこで、まず、今回の大規模集団接種会場において、どの程度の規模の接種を行うことが可能なのか伺います。

 次に、安全かつ確実な接種に向けた体制について伺います。
 現在、各市町村では、ファイザー製ワクチンを使った高齢者接種が進められており、既に予約を済まされた方や1回目の接種を終えられた方もいらっしゃると思います。
 今回の大規模集団接種では、新たに国から供給を受けるモデルナ製ワクチンを使用する予定とのことですが、接種規模も非常に大きいことから、接種される方の情報管理をしっかりと行わないと、例えば1回目の接種でファイザー製ワクチンの接種を受けられた方が、2回目の接種を大規模集団接種会場で受けてしまうといった問題が起こり得るかもしれません。
 また、現在承認申請中のモデルナ製ワクチンについては、1回目と2回目の接種間隔が、ファイザー製ワクチンとは異なるとも聞いております。言うまでもなく、ワクチン接種は、安全に行うことが何よりも重要であります。
 そこで、モデルナ製ワクチンを使用する大規模集団接種において、安全かつ確実にワクチンの接種を受けることができるよう、各市町と連携して、どのように取り組んでいかれるのか伺います。

 最後に、会場へのアクセス対応について伺います。
 今回の大規模集団接種は、関係市町の高齢者の方を対象としておりますが、両会場とも電車、バス等の公共交通機関によるアクセスが決していいとは言えない場所にあります。
 また、高齢者の中には、自動車運転免許証を自主返納している方も増加していることから、会場への良好なアクセスの確保がこの取組の成功の鍵を握ると言っても過言ではないと思います。
 この点について、県では、各市町と大規模集団接種会場とを結ぶ無料のシャトルバスを運行する予定であるということを聞き、まずは一安心いたしました。ぜひ関係市町としっかり調整して、より多くの方が利用しやすいバス運行をお願いします。
 一方で、自家用車での来場、特に、高齢者接種に続く住民接種のステージに移行すれば、自家用車による来場の急増も見込まれ、駐車場や周辺への影響も考えられます。
 そこで、高齢者に続く住民接種の会場とすることも含め、接種会場における駐車場対策はどのようになっているのか伺います。
 以上、明快な御答弁をお願いして、質問を終わります。


<答弁要旨>

(防災安全局長)
まず、緊急事態措置の啓発、PRについてであります。
 感染症を克服するためには、県民の皆様一人一人が感染防止対策の必要性をしっかりと自覚していただき、自らの行動の変容につなげていただくことが不可欠でありますので、様々な広報や呼びかけ活動、見回り活動に取り組んでいるところであります。
 具体的には、広報車や消防車などによる巡回広報、市町村の同報無線などを活用した呼びかけ、さらには道路情報などの電光掲示板による周知など、地域や街頭での呼びかけを行ってまいります。
 特に、路上、公園等における集団での飲酒など、感染リスクの高い行動に対する注意喚起や自粛の要請が求められており、県や市町村が管理する公園での見回りや県警察による警ら活動中における注意喚起を引き続き実施してまいります。
 また、ウェブサイトでの情報配信やラジオ番組などの活用はもとより、SNSを活用した防災情報ツイッター、防災速報アプリなど様々な媒体を通じ、対策への協力を呼びかけてまいります。
 あらゆる情報伝達手段や機会を捉え、積極的な広報活動を展開し、不要不急の外出自粛等の感染防止対策に御協力いただけるよう、しっかりと取り組んでまいります。
 次に、飲食店等への見回り結果と新たな認証制度への反映についてであります。
 現在、名古屋市内の全ての飲食店約1万8千店舗を対象に見回り調査を実施しており、5月6日現在、1万6159店舗を訪問し、休業中、営業時間外などの理由で調査ができなかった店舗を除く4346店舗の調査を実施いたしました。
 調査実施店舗では、10項目全ての項目でほとんどの店舗において対策が取られておりました。一方、取組が遅れていた項目、アクリル板の設置または座席の間隔の確保や手指消毒の徹底については、マニュアルを充実してまいります。また、飲食店等に対する課題項目の事前連絡等により、限られた時間の中で効率よく調査を実施してまいります。
 今回の見回り調査においては、例えば座席の間隔について、形態により間隔確保が異なることから、飲食店等事業者の皆様からの相談が多くあります。
 新たな認証制度における基準を検討する際には、こうした見回り調査で得られた知見を積極的に取り入れた基準とすることにより、飲食店等事業者の皆様が分かりやすい認証制度となるよう取り組んでまいります。

(感染症対策局長)
大規模集団接種会場の開設についての質問のうち、まず、接種規模についてお答えいたします。
 名古屋空港ターミナルビルの会場では、1日当たり最大2千人、藤田医科大学の会場では、最大1千人へ接種を行うこととしております。5月24日の開設後、今回予算計上した9月末までの130日間で、名古屋空港ターミナルビルの会場で最大13万人、藤田医科大学の会場で最大6万5千人の合計19万5千人の県民の皆様に2回接種することが可能となります。
 なお、県内の接種対象者約640万人のうち、この2つの接種会場で約3%をカバーできるものと見込んでおります。
 次に、ワクチンの誤接種防止に向けた取組についてでございます。
 今回の大規模集団接種では、複数の市町が参加することから、各市町における既存の接種体制に影響が及ばぬよう、円滑に接種を進めていく必要があります。
 このため、接種の予約については、県で新たなシステムを構築するのではなく、各市町の既存の予約システムをそのまま活用し、予約の重複など、県民の皆様に混乱が起きないようにしてまいります。
 さらに、接種当日、各市町の職員が会場の受付において身分証などにより本人確認をしっかり行うとともに、接種終了後には、2回目のワクチン接種を間違いなく受けていただけるよう、次回の予約を受け付けることとしております。
 こうした取組を県及び市町が連携してしっかり行っていくことで、安全かつ確実にワクチン接種を進めてまいります。
 最後に、駐車場対策についてお答えします。
 会場周辺の混雑を避けるために、可能な限り、公共交通機関やシャトルバスを御利用いただくよう御案内してまいりたいと考えておりますが、名古屋空港ターミナルビル、藤田医科大学の会場ともに十分な駐車スペースを確保する予定としております。
 なお、自家用車での来場が増えた場合でも、市町の接種予約は時間枠を設定して受け付けておりますので、混雑は分散できるものと考えております。
 また、周辺にお住まいの皆様に迷惑がかからないよう、アクセス道路に案内人を配置するとともに、案内表示をきちんと設置してまいります。
 こうした取組を通じ、多くの県民の皆様にワクチン接種を受けていただくよう、しっかりと準備を進めてまいります。