令和4年 9月定例会(2022.09.30)

<一般質問>

 通告に従い、順次質問いたします。
 頻発化、激甚化する自然災害に対する防災、減災への取組について伺います。
 初めに、今月襲来した台風14号及び15号、そして、7月及び8月の大雨によりお亡くなりになられた方々、被災された方々に心より御冥福、お見舞いを申し上げます。そして、被災地の一日も早い復旧・復興をお祈りいたします。
 昨年は、7月、静岡県熱海市に土石流災害をもたらし、また、8月には全国各地で記録的な大雨となり、河川の氾濫、土砂崩れ、道路の崩壊などが多発しました。一昨年も熊本県の球磨川水系の決壊、氾濫により、死者が60人を超えるなど甚大な被害をもたらした令和2年7月豪雨、さらに、2019年の九州北部豪雨、2018年の西日本豪雨など毎年様々な地域で大規模災害が発生している状況です。
 もはや、甚大な被害をもたらす自然災害がいつ発生してもおかしくありません。そこで、少しでも被害を防ぐ、また、軽減させる防災・減災対策について伺いたいと思います。
 初めに、災害発生時に現地で懸命な支援活動を展開されるボランティアをはじめとする各種団体等が保有する知見を生かした取組について伺います。
 私の地元春日井市には、災害ボランティア、愛・知・人という災害時の緊急支援、復旧支援、防災・減災啓発活動等、多岐にわたる活動を行っている団体があります。代表理事の赤池博美さんにお話を伺うと、きっかけは東日本大震災。お花見で仲間が集まった際、10万円ほどの寄附を送ったことを皮切りに、4月に賛同者20人ほどで現地に入り、無我夢中で活動する中、これは継続しなければと愛・知・人を発足したそうです。以来、地震や水害など全国の被災現場で経験を積むうちに、今では、自衛隊、消防などに支援技術を教えるまでとなり、登録会員が全国で750人を数える団体となっています。
 災害時の具体的活動については、1.ニュースやSNSで情報を収集、2.先遣隊が現地に入り、災害対策本部などと連携して支援プランを立案、3.登録メンバーから動ける人の人選と同時にベースキャンプを確保、4.必要に応じて高所作業車や重機などをレンタルにて調達、リーダー以下の指示系統を決め、現地ボランティアセンターや他団体と連携して災害支援作業を開始、5.ふだんの仕事があるので、休暇や土日に交代で現地入りし、1~2か月間にわたり支援を継続といった形で行うことが多いそうです。
 平時は、春日井市の防災イベント等での活動紹介や全国各地で講演活動を行っています。そして、現在は、先月の大雨により大きな被害を受けた新潟県村上市において、浸水被害に遭った住宅の補修作業等を継続して行っており、今後は、台風15号の被害を受けた静岡県での支援活動を検討しているそうです。
 災害発生時には、行政だけでは手の届かない被災者の方々からのニーズが数限りなく発生します。避難所等での炊き出しや救援物資の配布、瓦礫の撤去や家屋の清掃等の多くの人手を要するものや、けが人や病人の手当等の専門性の高いもの、また、カウンセラー等の長期継続的な活動に及ぶもの等、非常に多岐にわたる分野の活動が求められます。
 ボランティア団体は、被災者が生活を再建し、被災地が復興を遂げていく上で欠かせない存在であり、平時から行政、社会福祉協議会とボランティア団体をはじめとした各種団体等の三者が互いに情報共有をする必要があると考えます。

 そこで、こうしたボランティア団体等との情報共有に関する現状及び今後の取組についてお伺いします。

 次に、地域と連携した河川の草刈り、樹木伐採について伺います。
 全国各地で豪雨による浸水被害が多発する状況において、治水対策は喫緊の課題です。河道掘削や堤防整備といった河川整備が重要なことは言うまでもありませんが、大規模工事を含め、着手できる部分には限りがあります。したがって、治水機能を確実に発揮し、治水安全度を維持するためにも、日常における堤防の草刈りや河川内に繁茂した樹木の伐採などの適切な維持管理が極めて重要であると考えます。
 樹木伐採については、防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策及び5か年加速化対策も活用し、緊急性の高い区間から実施されています。しかしながら、県管理河川の管理面積は膨大であり、防災面に加えて住環境や利用の面からも様々な要望が出ていることから、本県の河川環境事業費は2013年度の約20億円から2021年度には約28億円と年々増加し、より効率的、効果的な維持管理を行っていく必要があると考えます。
 このような状況の中、本県では独自の取組として、河川の草刈り作業を地域の団体に委託し、地域に密着したきめ細かな草刈りを実現する愛知コミュニティリバー推進事業を2005年度から実施しています。地域の皆様と連携した手法は、良好な管理やコスト縮減といった効果に加え、地域の連帯感の醸成や防災意識の高まりにつながる非常に有効な手法であり、より積極的な展開をすることが課題解決の一助につながると考えます。

 そこで、県管理河川の草刈り、樹木伐採の地域と連携した取組の現状と今後の進め方についてお伺いします。

 次に、あいち森と緑づくり事業を活用した防災・減災対策について伺います。
 今年は、明治以降の本県の山地災害史上、最も大きな災害である四七災から50年という節目の年に当たります。
 四七災は、1972年、昭和47年7月10日から14日の集中豪雨による小原村、現豊田市を中心とする災害と、7月15日の台風6号による知多半島を中心とする災害が連続して発生したもので、山崩れと土石流により死者、行方不明者が68人に上った、本県において忘れてはならない痛ましい災害です。
 このような山地災害に備え、森林が有する県土の保全や土砂災害の防止といった公益的機能を十分に発揮させるため、間伐などの森林整備を適切に行う必要があります。
 本県では、2009年4月から、あいち森と緑づくり事業により、手入れが行き届かない人工林の間伐や放置された里山林の整備、保全などに取り組んでいます。
 このうち、人工林の間伐について、2009年度からの10年間を事業期間とする第1期事業計画では、林業活動では整備が困難な奥地において9597ヘクタール、交通量が多い作業条件の悪い公道、河川沿いにおいて5278ヘクタール、合わせて14875ヘクタールの間伐が実施され、計画に対する進捗率は99.2%でした。
 そして、2019九年度からの10年間を事業期間とする第2期事業計画では、防災、減災やライフライン確保の観点から、倒木等による配電線の切断の危険性が高く、早急に整備が必要な道路沿い、集落周辺や流木対策のため間伐が必要と認められる河川沿いの森林を重点的に取り組むこととされました。特に道路沿いの間伐については、倒木による停電が激減しており大変ありがたいと、地元はもとより電力会社からも高く評価されており、森林が持つ公益的機能の発揮に資するだけでなく、ライフラインの確保の観点からも重要であると考えます。

 そこで、あいち森と緑づくり事業の第二期事業計画において、防災、減災やライフライン確保のために道路沿い等の間伐を重点的に実施していくこととした経緯及び実績についてお伺いします。また、あいち森と緑づくり事業における防災・減災対策として、道路沿い等の間伐を今後どのように進めていくのか、お伺いします。

 次に、警察の広報活動について伺います。
 8月26日より全国で公開された阿部寛さん主演の映画、異動辞令は音楽隊!は、犯罪捜査一筋30年の鬼刑事がまさかの警察音楽隊に異動し、そこから繰り広げられる物語です。警察を舞台にしたドラマや映画は数多くありますが、私はこれまで警察音楽隊にスポットを当てた映画というものを見たことも聞いたこともありません。かなり珍しいのではないかと思います。
 実は、この映画誕生の始まりが、愛知県警察音楽隊のユーチューブ動画であることを皆さんは御存じでしょうか。加えて、撮影地は豊橋市、豊川市、蒲郡市と静岡県の湖西市。特に豊橋市は道路封鎖をはじめ、フィルムコミッションの全面協力を得て映像が撮られました。
 こうしたこともあり、公開前から新聞やテレビをはじめ様々なメディアで取り上げられています。私自身、メディアを通じて今回の映画の存在を知り、ぜひ見たいと映画館に足を運びました。ネタばらしはよくありませんが、一言、とてもよい映画で、思わずパンフレットも買ってしまいました。機会があればぜひ御覧いただきたいと思います。ちなみに、先ほど紹介した愛知県警察音楽隊のユーチューブ動画の視聴回数は、昨日時点でなんと938万回、大大大バズり動画となっています。
 さて、議場の皆さんは、これまで交通安全や防犯活動をはじめとした警察署等が企画する行事に多数御出席されていると思います。こうした行事に出席する際、私は、式次第に警察音楽隊、そして、カラーガード隊フレッシュ・アイリスの演奏、演技が書かれていると正直少しテンションが上がります。警察音楽隊はこうした行事に花を添えてくれる存在です。
 映画では、音楽隊の練習場所に、県民と警察を結ぶ音のかけ橋という横断幕がかけられているシーンがあります。この言葉こそ、昭和24年1月に発足した愛知県警察音楽隊の発足理念となっています。
 パンフレットには、愛知県警察音楽隊、伊藤隊長による警察音楽隊というお仕事という解説が記され、音楽隊の仕事は警察組織の中でも珍しい拍手をもらえる仕事であり、音楽隊ほど多くの方から喜ばれる仕事はないと喜びを語られる一方で、他の吹奏学部や吹奏楽団と容易に比較できることから、プロの音楽家として高いレベルの演奏、演技をしなければならないプレッシャーがあること、そして、警察音楽隊は特殊な部署と思われがちであるが、目指しているものは犯罪被害や交通事故の防止等、他の警察活動と同じであり、そのメッセージを受け取ってもらいたいと音楽隊の使命を熱く語られています。このことは、映画全体を通じとても伝わってくる部分であり、警察音楽隊の独自性、必要性を改めて感じるとともに、ぜひ多くの方に知っていただきたいと思います。
 このように、映画、異動辞令は音楽隊!は、愛知県警察として絶好の広報機会になっています。

 そこで、警察音楽隊をテーマとした映画が上映され、各メディアにて愛知県警察音楽隊が取り上げられていますが、この機会を生かしてどのような広報活動を行ったのか、お伺いします。

 次に、コロナ禍における警察広報活動について伺います。
 警察音楽隊による広報活動をはじめ、新型コロナウイルス感染拡大以前は、対面により県民の皆様に直接訴えかける広報イベントが多数ありました。しかし、近年はこうした活動に制限がかかっています。
 また、私はこれまで、愛知県警察本庁内での施設見学会を何度も行ってきました。というのも、110番指令システムや交通管制センター等興味深い施設の見学と広報課の方からの説明に参加者の強い関心が寄せられ、非常に評判が高い見学会となっているからです。新型コロナウイルス感染拡大に伴う休止期間中にも多くの方から見学リクエストをいただきました。本年3月22日から見学を再開したと伺っておりますが、警察広報に寄せる県民の皆様の期待の高さを表す一端であると感じます。
 また、コロナ禍に乗じた還付金詐欺、悪質商法、サイバー犯罪等に対する注意喚起や昨年制定した自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例に基づくヘルメット着用の促進、本年制定した愛知県犯罪被害者等支援条例の周知といった点も含め、広報活動の重要性はさらに高まっていると考えます。なお、ヘルメット着用促進については、中村警察署作成の自転車、与作の曲に乗せてというユーチューブ動画が、笑いながらもポイントをついたすばらしい作品となっていますので、ぜひこちらも皆様に御覧いただけると幸いです。

 そこで、新型コロナウイルス感染拡大の影響で広報活動が行いにくい状況があると思いますが、どのように工夫して広報活動を行っているのか、お伺いします。

 最後に、高齢者の社会活動推進について伺います。
 こちらも映画の話から入ります。9月9日に全国で公開された菅田将暉さん、原田美枝子さん主演の映画、百花は、認知症と診断され、記憶を失っていく母とそれに向き合う息子を描いた物語です。
 愛知県では、若い世代を含めた多くの方々に認知症についてじぶんごととして捉えていただくきっかけとなるよう、同映画とタイアップしたポスターを作成、啓発活動を行っており、私も認知症問題をじぶんごとと捉えられるよう、映画を鑑賞しました。
 認知症の母と息子というシーンは、さきに触れた異動辞令は音楽隊!でも阿部寛さんと倍賞美津子さんの役柄で展開されました。私は、阿部寛さんと菅田将暉さんの間に入る年代です。介護、そして、認知症と向き合う主人公と自分とを重ね合わせ、記憶が失われていく親に対する戸惑いや憤り、そして、優しく接することのできない自分へのいら立ちといった、まだ体験したことのない感情や気持ちに対し、自分だったらどうするのだろうと考えました。明確な答えには至りませんでしたが、じぶんごととして向き合うためのとてもいい機会となりました。映画では、こうした壁を乗り越える部分も描かれていますが、やはり現実には、少しでも認知症問題と向き合う時間を減らしたい、さらに言えば、両親にはできるだけ長く健康で過ごしてもらいたいと改めて感じました。
 本県における高齢者施策は、これまで医療・介護分野をはじめ就労支援やまちづくりなど、様々な分野において各局がそれぞれの立場で推進してきました。しかし、総合的な観点からの取組が重要との考えから、2019年度に有識者による高齢社会懇談会を4回開催し、高齢者にとって今日用事があることと今日行くところがあることが大切であり、地域活動への参加を促すことが重要、高齢者の社会参加は、生活機能や健康度に合わせて、就労、ボランティアや趣味、さらに近所付き合い等へと変わり、活動の入り口から出口までの支援が課題、年金収入に加えて現金収入4~5万円があると生活が落ち着いてくるので、そこをコミュニティビジネスで稼ぐことができる仕組みをつくっていく必要がある、多世代交流を通じた地域活動を実施することは、高齢者の健康だけでなく、子供や若者の成長にもよい影響がある、遠くまで移動している人ほど健康であり、高齢者の移動手段の確保が重要、福祉有償運送や市民による無償運送と公共交通がどうつながっていくのか、組合せが課題といった意見を基に、高齢者の社会参加を促す新たなモデル事業を2020年度より3か年にわたり実施することとしました。
 具体的には、高齢者がいきいきと輝くまちづくりモデル事業として、ア.高齢者の就労、生きがいづくりの一体的支援、イ.多世代交流を通じたシニアの活躍推進、ウ.高齢者の移動支援の3つのモデルを12市町に委託する形で実施し、併せて、県事業として普及啓発事業を行うこととしました。

 そこで、モデル事業の実施状況とどのような課題が浮かび上がったのか、お伺いします。

 次に、今後に向けた取組について伺います。
 このモデル事業の実施とほぼ同時期に新型コロナウイルス感染拡大が始まり、私たちの生活様式が一変しました。特に、重症化のリスクが高いとされた高齢者は外出の機会が顕著に減り、その結果、運動機能の低下や人とのつながりの希薄化が問題となっています。
 2021年12月にニッセイ基礎研究所が実施した第7回新型コロナによる暮らしの変化に関する調査によると、65歳以上の高齢者で移動時間が減少したと回答した人が26.7%、また、交際や付き合い時間が減少したと回答した人は60.7%という結果となりました。そして、移動時間の減少により、運動不足による健康状態や身体機能低下に対して不安と回答した割合が58.1%、コミュニケーション機会の減少による認知機能の低下に対して不安と回答した割合が33.3%、鬱など心の病気になる不安と回答した割合が30.8%となっています。
 このことからも、高齢者の心身の健康状態を維持するためには、感染対策を取った上で、さきに触れたモデルをはじめとした高齢者の社会参加を促す取組をさらに積極的に展開していくことが重要です。
 また、こうした取組は、行政課題の解決として介護費用の削減にも寄与します。日本福祉大学の斉藤雅茂教授は、常滑市の要介護認定を受けていない高齢者5483人を11年間追跡した結果、週1回以上の趣味の会などに参加している高齢者は、全く参加しない高齢者と比べて、11年間で介護費用累計額が平均して35万円程度低く、同様にスポーツの会については、平均して60万円程度低くなり、それぞれの会に週1回以上参加する人を10%増やすことができた場合、常滑市において11年間で8千万円程度の介護費用を削減できる可能性があるとの論文を2019年に発表しました。乱暴な計算ですが、常滑市の人口と愛知県の人口の比率で計算すると、愛知県全体では、11年間で約100億円の介護費用削減となります。
 そこで、私は、今後の取組として、現在注目されている成果連動型民間委託契約方式、ペイ・フォー・サクセス(PFS)を活用し、シニア市場に力を入れている民間のノウハウを用いたより効果的な施策を展開していくことが望ましいと考えます。PFSは、解決すべき行政課題に対応した成果指標を設定し、当該成果指標値の改善状況に連動して支払いをする委託契約方式で、メリットとして、1.利用者の視点からは、行政が明確に設定した成果指標を官民が共有し、民間事業者が目標達成に向け創意工夫を講じることで、満足度の向上が期待できること、2.民間事業者の視点からは、自社の技術や提案を盛り込んだ事業手法により、一定期間事業を実施し、事業の結果がよいほど報酬が増えるため、事業取組の意欲が大幅に向上すること、3.行政の視点からは、事業目標の達成に応じた支払いとなることから、プロセスに支払う仕様発注と比べて費用対効果の改善につながり、行財政効果にも期待できることが挙げられます。
 全国でPFS事業が始まりつつある中、特に医療、健康、介護分野における活用事例が目立ち、本県においてもPFSを活用した新たな高齢者の社会参加事業の展開が期待されます。

 そこで、モデル事業の実施状況なども踏まえ、今後、高齢者の社会参加の推進に県としてどのように取り組んでいくのか、お伺いします。

 以上で、壇上からの質問を終わりたいと思います。御清聴ありがとうございました。


<答弁要旨>

1 頻発化、激甚化する自然災害に対する防災、減災への取組
(1)ボランティア団体等との情報共有に関する現状と今後の取組について
防災安全局長
 防災、減災の御質問のうち、ボランティア団体等との情報共有に関する現状と今後の取組についてお答えをいたします。
 ボランティアが災害時に効率的に活動するためには、行政、社会福祉協議会とボランティア団体等が平時から情報共有し、災害時には連携、協働することが重要であります。
 このため、災害時に全国からボランティアを受け入れ、効率的に活動を進めていただくため、県が中心となって愛知県社会福祉協議会、ボランティア団体等と三者で防災のための愛知県ボランティア連絡会を設置しております。この連絡会では、毎年被災地での活動内容や支援方法について意見交換を行い、お互いの協力体制づくりに努めるとともに、災害時に備え、県と協働でボランティア活動を支援する広域ボランティア支援本部設置訓練を実施し、活動の実効性を高めております。
 また、本年3月にこの連絡会が中心となって保健、医療、子供・高齢者福祉、障害者支援分野の支援団体と情報交換を行うため、新たに愛知県災害支援のためのボランティア等情報共有会議を立ち上げまして、百九団体に御参加をいただいております。幅広い分野の団体相互の連携がさらに進むことにより、きめ細やかなボランティア活動が可能になると期待しているところでございます。
 今月22日に開催した今年度第一回目の会議では、全国災害ボランティア支援団体ネットワークの事務局長に被災地での活動や、そこで生じた課題等を御講演いただき、情報共有を行いました。
 県といたしましても、この情報共有会議の場において、防災に関する情報提供を行うなど積極的に参加し、災害時のボランティア活動の充実強化に努めてまいります。

(2)河川の草刈り、樹木伐採の地域と連携した取組について
建設局長
 河川の草刈り、樹木伐採の地域と連携した取組についてであります。
 県が管理する河川の草刈りについては、堤防の良好な環境維持を目的として、年1回を基本に業者に委託して実施しております。一方で、2005年度からは、地元の河川は自分たちできれいにしたいという要望や実施時期など地域の実情に合ったきめ細かな管理を望む声に応えるため、地域の住民団体などに草刈り作業を委託する愛知コミュニティリバー推進事業を開始しております。初年度は7河川、10団体に実施していただき、その後も着実に実施団体数を増やし、今年度は44河川、55団体での実施を予定しております。
 この取組は、良好な河川の管理につながることから、さらなる応募の拡大を図るため、昨年度には実施面積要件の緩和や提出書類の簡素化などを行っており、今後も実施団体へのヒアリングなどによるニーズの把握と制度の改善に努めてまいります。
 また、地域の皆様に手軽に参加いただける取組として、日頃から河川の草刈りや清掃活動を実施されている団体へ、参加人数に応じて報償費をお支払いする河川愛護活動報償制度を1991年度から展開しており、昨年度は、154団体に参加いただいております。
 次に、樹木伐採については、治水安全度の向上や河川管理施設の保全を目的として、緊急性の高い区間から実施しております。
 この工事費のうち、伐採木の処分費に占める割合が大きいことから、コスト縮減や資源の有効利用を図るため、昨年度、地域の皆様をはじめ希望される方への伐採木の提供を豊橋市と豊川市を流れる佐奈川において試行的に行い、多くの応募をいただきました。引き続き、実施河川を拡大して試行を行い、課題の整理など本格実施に向けた検討を進めてまいります。
 今後も県民の皆様のニーズを的確に把握し、地域と連携した取組の推進を図り、河川の適切な維持管理に取り組んでまいります。

(3)あいち森と緑づくり事業について
農林基盤局長
 私からは、防災、減災についてのお尋ねのうち、あいち森と緑づくり事業についてお答えします。
 あいち森と緑づくり事業は、林業活動では整備が困難な人工林の間伐や放置された里山林の整備、保全などの取組を推進するため開始した事業でございます。
 2009年度から2018年度までの10年間の第1期事業計画における人工林の間伐は、公道、河川沿いや道路から離れた奥地林を対象として実施いたしました。事業効果を確認するために実施したアンケート調査等では、このうちの公道、河川沿いの間伐について、道路の凍結防止や見通しの確保、停電の防止など県民の皆様の安全・安心な暮らしの確保にも寄与していることが確認できました。
 そこで、2019年度からの10年間を計画期間とする第2期事業計画では、台風等に伴う倒木による停電や通行止めが頻発し、地域住民の生活に大きな影響を及ぼしていることも踏まえ、防災、減災やライフライン確保の観点から道路沿い等の間伐を重点的に実施することとしたものでございます。
 実績につきましては、第2期事業計画の2019年度から2021年度までの3年間で3612ヘクタールの間伐を実施し、そのうち、道路沿い等における間伐は2451ヘクタール、延長としましては、延べ110キロメートルとなっております。
 次に、あいち森と緑づくり事業における防災・減災対策として、道路沿い等の間伐を今後どのように進めていくのかについてでございます。
 道路沿い等の間伐においては、電線や住宅などが近接していることから、施設等の管理者と十分な事前調整を行い、安全かつ円滑に作業を進めることが重要でございます。
 このため、電気事業者とは、2019年度から配電線の取扱いに関する協議等に基づき、工事の際に電線を保護するカバーを取り付けていただくなど協力をお願いしているところでございます。
 さらに、道路管理者や地元市町村等と必要な調整を図りながら事業を実施しているところであり、引き続きしっかりと連携して取り組んでまいります。

知事
 日比たけまさ議員の質問のうち、あいち森と緑づくり事業による防災・減災対策につきまして、私からもお答えをいたします。
 近年、台風やゲリラ豪雨、線状降水帯などの影響により、ライフラインに重大な影響を及ぼす山地災害が全国各地で発生しております。
 このたびの台風第14号におきましても倒木等が発生しており、電気事業者によりますと、豊田市や新城市など山間部をはじめとする県内各所において、9月19日の19時時点で最大約3020戸が停電するなど県民の生活に大きな影響がありました。なお、この停電は、翌日には全て復旧をしております。
 また、過去には、2019年に房総半島を襲った台風第15号において、千葉県を中心に倒木や土砂崩れのために各地で道路が寸断されたほか、約93万戸に及ぶ大規模な停電が発生し、復旧までに約16日間を要する甚大な被害も発生しております。
 こうした中で、あいち森と緑づくり事業では、防災、減災、ライフラインの確保のため、道路沿い等の間伐を重点的に実施しておりまして、関係市町村や県民の皆様から非常に効果の高い事業であるとの評価をいただいております。今年度、あいち森と緑づくり事業は、第2期事業計画の中間評価を行う4年目となりますので、現在、県民の皆様を対象としたアンケート調査や市町村をはじめとする関係者から意見の聞き取りを行っているところであります。
 こうした取組を通じまして、皆さんからいただきました御意見を踏まえまして、今後も道路沿い等の間伐を着実に進め、防災・減災対策にしっかりと取り組んでまいります。


2 警察の広報活動
(1)音楽隊に関連する映画が上映された機会を生かした広報活動について
警察本部長
 音楽隊に関連する映画が上映された機会を生かした広報活動についての御質問にお答えいたします。
 カラーガードも含め、音楽隊は、音楽を通じて県民の方々との融和を図り、警察活動各般における広報活動の効果的な推進の一助となること、すなわち、音のかけ橋となることを主な任務としているため、平素から音楽隊に対する認知度を高め、広報効果を上げる活動にも注力しているところでございます。
 議員お示しの映画は、御指摘のとおり、県警察のユーチューブ公式チャンネル内に投稿された映像が映画製作のきっかけになった御縁で、同作品のパンフレットに愛知県警察音楽隊の活動内容等の紹介が掲載されることとなりました。
 さらに、映画配給会社とタイアップして、特殊詐欺に対する防犯広報を組み込んだポスターを作成していただき、警察施設や公共施設等に掲示しております。
 また、この映画は、主人公が刑事から音楽隊に異動となった物語でございますが、県警察の音楽隊にも、今春、刑事から音楽隊に異動となった男性隊員が在籍しており、テレビ局の密着取材を受け、音楽隊での業務内容等も放映されました。
 その他、本年7月19日、名古屋市東区内で定期的に開催している音楽隊のコンサートに主演の阿部寛さんをお招きし、音楽隊とコラボレーションして特殊詐欺の防犯広報を行いました。また、本年8月27日には、名古屋市中川区の映画館で行われた公開イベントで、内田監督と中川警察署長のトークショーを行い、音楽隊の演奏とともに特殊詐欺の防犯広報を行ったところであります。
 このように、映画上映の機会を生かした広報活動により、メディアにも大きく取り上げられ、音楽隊の認知度が高まるとともに、防犯広報など警察活動の効果的な広報を行うことができました。
 映画については、既に知事にも報告し、御理解をいただいているところでありますが、映画と異なり、本職は音楽隊の廃止は全く考えておりません。
 今後も、音楽隊をはじめ各種媒体を活用した広報活動により、安心して暮らせる愛知の確立に寄与してまいりたいと考えております。

(2)新型コロナウイルス感染拡大の影響下における広報活動について
 次に、新型コロナウイルス感染拡大の影響下における広報活動についての御質問にお答えいたします。
 現在は、コロナ禍により多人数が密集するような広報活動を自粛していることから、SNS等を活用した非接触型の広報に力を入れているところでございます。
 SNSにつきましては、ユーチューブ公式チャンネルを運用し、音楽隊のイベントや演奏の様子、警察署によるオリジナル広報動画等、工夫を凝らした様々な動画を投稿しており、投稿数は2019年が27本であったのに対し、2021年は190本と、コロナ禍以前に比べ約7倍に増加しております。
 また、その他のSNSとして、ツイッター、インスタグラム、LINEを運用し、警察職員採用のほか、防犯、交通安全等の警察情報をタイムリーに配信しております。
 さらに、インターネットを活用してパトネットあいちという名称で各種情報をメール配信しているほか、各種アイテムを組み込んだアイチポリスというスマートフォン向けアプリからは、さきに紹介しましたユーチューブ等に簡単にアクセスできるため、このアプリの周知にも力を入れているところでございます。
 音楽隊につきましても、小規模なイベント等においても演奏ができるよう、10名以内のユニットを編成するなど工夫したことで、派遣回数自体はコロナ禍以前に戻りつつあります。
 また、警察本部の広報センターは、多くの県民の皆様、特に小学生には社会見学の場として活用していただいており、9月からは、県政150周年記念に合わせて、県警察の150年の歴史についても紹介しているところであります。なお、今年度中には、完全リニューアルにより、一層充実した場所を提供できる予定であります。
 このように県警察では、県民の皆様に警察の活動や警察からのメッセージが正しく伝わるよう、時代の変化に合わせた新たなスタイルの広報活動を推進してまいります。よろしくお願いします。


3 高齢者の社会活動推進
(1)モデル事業の実施状況と課題について
福祉局長
 高齢者の社会参加推進についてモデル事業の実施状況と課題についてお答えいたします。
 2020年度から12市町において、就労、生きがいづくり、多世代交流、移動支援の3つのテーマのモデル事業を実施しておりまして、今年度が最終年度になります。
 豊橋市はじめ3市では、就労からボランティアまで多様な選択肢を分かりやすく情報提供を行う総合窓口を設置するほか、企業交流会、シニア世代のライフプランセミナーなどを開催しております。
 セミナーにつきましては、本年8月までに約50回開催し、おおむね順調に参加者を集めた反面、相談日が限られる総合窓口の利用は低調で推移しております。コロナ禍の中でもあり、高齢者の皆様にまずは何かやってみようと活動の一歩を踏み出していただくことの難しさを感じているところであります。
 次に、津島市はじめ3市では、高齢者に地域の担い手として、交流の場づくりや子供との関わり方を学んでいただいた上で、子供たちと共に遊びや工作、芋掘りなどを行う多世代交流プログラムを実施しております。
 これまで高齢者、子供を合わせまして1000人以上の方に御参加いただき、多くの高齢者からは、生きがい、やりがいを感じたとの声を聞いております。さらに、こうした経験を経て、自らが主体となって交流イベントの開催に向け、企画を進めているとの御報告もいただいております。  今後とも、地域において主体的な取組として継続していくためには、企画・運営者の負担をいかに少なくするか、そのための仕組みづくりが課題であると感じております。
 次に、瀬戸市をはじめ6市町では、運転が不安な高齢者等に通院や買物など外出を支援する移動支援サービスの実証を進めております。運行形態は、タクシー会社への委託と住民等の互助によるものなどで、地域の実情に応じて設定をしていただきました。
 とりわけ互助の場合には、ボランティアドライバーなど地域の担い手の確保が継続のための大きな課題と考えております。

(2)今後の取組について
 次に、今後の取組についてであります。
 最終年度であります今年度においては、市町村や県民を対象とした活動報告会を開催するとともに、モデル事業で得られた成果や課題を取組事例集としてまとめ、県内全域で活動の参考としていただけるよう横展開を図るとともに、モデル事業実施市町に対しましては、地域の実情に応じて取組の継続を促してまいります。
 なお、PFSの活用につきましては、介護保険制度の運営など介護分野における基礎自治体が市町村となるため、広域自治体である県において、どのような成果指標を設定することができるのか等、他県の実施状況等を情報収集してまいりたいと考えております。
 来年度は、愛知県高齢者福祉保健医療計画の次期計画を策定する予定でございますので、モデル事業を実施する中で見えてきた課題なども踏まえまして、生きがい対策や介護予防などを含めまして、高齢者が地域において生き生きと生活していくことができるよう、効果的な取組を検討してまいりたいと考えております。


<要望>

 知事をはじめ御答弁いただきまして、ありがとうございました。それでは、それぞれについて要望をさせていただきます。
 初めに、災害ボランティア団体等との連携について、福井県、新潟県、徳島県、茨城県では、災害ボランティアを支援する条例が制定されています。特に、最近制定された茨城県災害ボランティア活動を支援し、促進するための条例では、県の取組の3つの柱として、1.行政と災害ボランティア相互の連携強化、2.災害ボランティア活動に関する人材の育成、3.災害ボランティア活動の円滑な実施に資する支援が記されています。本県においても、ボランティア連絡会及びボランティア等情報共有会議を通じて、こうした取組を進めていただくよう要望します。
 次に、河川の除草に関する連携について、私は地域の方から、除草が途中で終わっているとの指摘をよく受けます。県と市町村が管理する区域が異なり、致し方ない面があることは承知していますが、御意見はごもっともであります。
 こうした声に対し、春日井市では、一部の区域において市が除草する際に、県の区域も一括して除草し、県から委託料を受領する取組を昨年度から実施しております。県が行う頻度以上の除草は市が費用を持ち出すことになり、課題の整理が必要ですが、住民からの評判はとてもよいそうです。このような事例も含め、市町村との連携強化を要望します。

 次に、森林整備について、さきに触れたとおり、関係者からはとてもありがたいとの声がありますので、引き続き連携を密にしていただいて、効果の高い整備に努めていただくとともに、森林の多い三河地域を中心としながらも、尾張地域についても間伐を進めていただくよう要望します。  次に、警察広報について、今回の質問を作成するに当たり、各警察署が工夫を凝らした広報活動を展開していることが分かりました。愛知県警察内では好事例の共有化が図られていると思いますが、ぜひ他県警察の好事例についても積極的に取り入れていただき、県民への理解と協力の確保、信頼の確保と安心感の醸成に努めていただきますよう要望します。
 最後に、高齢者の社会参加推進について、御答弁もいただきましたけれども、今行っているモデル、ぜひこれまでと同じ形、もしくはそれぞれの自治体に応じた形で継続していただくことを要望したいと思います。
 また、PFS導入に向けては、事業の成果を適切に評価することが困難、あるいは成果報酬の基準となる妥当な目標水準の設置が困難といった技術的な課題があることは承知していますが、先ほど触れたように、先行事例では、医療、健康、介護分野における活用事例が目立ち、県内では、豊田市が高齢者の社会参加促進事業としてずっと元気!プロジェクトを展開しています。ぜひ県内各地域の地域活動団体やNPO、老人クラブなどへの高齢者の参加を促進する取組を検討していただくよう要望しまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。